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✦ 農福連携の生活介護事業所「ゆめそだてファーム」を訪問して

  • 43 分前
  • 読了時間: 5分

5月12日(火)10:00〜11:40 管理者と所長

■ 施設に到着して

建物は広めの一般住宅を改修したもので、昨年4月に農福連携の生活介護事業所としてオープンしたそうです。広い駐車場があり、建物の前には地域の生活道路が通っていて、まさに「地域の中にある施設」という印象を受けました。1階と2階があり、入浴ニーズのある方や家庭・グループホームから通う方まで、幅広い利用者が利用しています。

■ 利用者の様子と支援の工夫

4月に特別支援学校から移ってきたMさんは、声や人の刺激に敏感で、1階では他害が見られることもあったそうです。しかし、2階に移ってからは驚くほど落ち着いて過ごせているとのことでした。

今後は、本人の様子を丁寧に見守りながら、少しずつグループ活動への参加を進めていく予定だと伺いました。同じく4月から利用しているSさんは、強いこだわりがあり、止められるとパニックになり支援員を押すなどの危険行為が出ることがあります。掲示物やスケジュールを破る行動もあり、理由は「仕事をしたくない」などさまざまです。現在はこだわりの対象物を見えないように工夫し、環境調整を行っているとのことでした。女性のKさんは、以前は脱衣などの行動が見られましたが、女性支援者がそばに寄り添うことで、今では落ち着いて過ごせるようになっています。

■ 朝の会の様子

朝礼では、ホワイトボードに午前・午後の予定、外作業6名・室内作業3名の出席者、支援員の名前が整理されて掲示されていました。係のYさん(所長の息子さん)が落ち着いた声で予定を読み上げ、利用者の皆さんが自然に耳を傾けている姿が印象的でした。

■ 農作業へ向かう道のり

農作業は、近隣農家から借りているファームまで、行き帰りそれぞれ徒歩10分ほど。この「歩く」という行為自体が、利用者にとって良い運動になっているそうです。途中の景色も穏やかで、季節の移ろいを感じながら向かう時間は、利用者にとっても支援者にとっても大切なひとときになっているようでした。

■ ファームでの作業

この日の作業は、ファームの一角での草抜きでした。少人数のときは集中して取り組めるのですが、人数が増えると「やらない人を真似る」「見通しが持てない」などの理由で作業が進まないこともあるそうです。支援員の中には「言ってもわからないだろう」「自分がやった方が早い」と感じてしまう人もおり、利用者に任せることが難しい場面もあるとのこと。管理者は「利用者ができる方法を一緒に考えていきたい」と伝えているものの、支援者との関係性を壊さないよう慎重に進めていると話していました。今後は、利用者一人ひとりの アセスメント を行い、「何ができるのか」を丁寧に整理していく予定です。

■ ASDの方が取り組みやすい作業

Sさんはこの日、座って見ているだけでしたが、一方で、玉ねぎの根切り作業に丁寧に取り組めるそうです。ASDの方は、やることが明確で、手順がはっきりしている作業に取り組みやすい傾向があります。同じくASDのKさんは座っていることが多いのですが、体重が100kgに迫っており、健康面が心配されています。夜中にパンを食べてしまうなど、家庭での生活習慣も影響しているようです。

■ 民家と納屋の活用

ファームの近くには、農作業の道具が置かれた納屋と、以前お婆さんが住んでいた民家があります。当初は納屋のみを使う予定でしたが、お婆さんが転居されたことで民家も利用できるようになりました。民家は雨天時の避難場所や休憩スペースとして活用され、野菜乾燥機を使って干し芋や干し甘夏などの製品づくりも行われています。同法人の高齢施設の利用者もここを利用しており、バーベキューなどの交流も行われているそうです。

■ 農福連携の裏側にある苦労

農福連携は、農林水産省の補助金を活用しながら進められていますが、実際には多くの苦労があります。借りた農地は長年放置され、草木が生い茂っていました。トラクターを使い、半年かけてようやく農地として使えるようになったとのこと。農家からの信頼を得るのも簡単ではなく、紹介から始まり、土地管理の実績を積んでようやく「うちの土地も使ってほしい」と言われるようになったそうです。

所長は大企業でマーケティングを担当し、その企業の特例子会社で胡蝶蘭やバラの栽培・ブランディングに携わった経験を持っています。以前、事業計画を伺った際も非常に理路整然としており、農福連携を成功させるための戦略性と実行力を強く感じました。干し甘夏を試食させていただきましたが、甘すぎず、ほどよい苦味があり、驚くほど上品な味わいでした。これも所長の「商品化戦略」の一環だそうです。

■ 自然がもたらす落ち着き

敷地内には渋柿・甘柿・栗・梅などの木々があり、季節ごとに収穫の楽しみがあります。春先にはたけのこ掘りが行われ、七輪で煮込んで製品化。火を囲んで眺める利用者の姿は、まるでキャンプファイヤーのようで、焚火のリラックス効果を感じさせる光景でした。

■ 最後に

自然環境の中で、無理強いせず、本人のペースを尊重する支援が利用者の落ち着きにつながっています。しかし、落ち着いているから手立てが不要なのではなく、アセスメント を通して適切な支援を組み立てれば、さらに力を発揮できるはずです。

帰り際には、スナップエンドウと「かんたんサラダだいこん」をいただきました。水で戻すだけで歯ごたえのあるサラダになるとのことで、今夜いただくのが楽しみです。

 
 
 

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