正確に伝えないと・・・

今日は、昨日行った就学前のお子さんのPEP3の結果についてお伝えする日でした。昨日のPEPの実施は、初めて来る場所、初めての検査者にもかかわらず、順調に行われたことに親御さんもびっくりした様子でした。帰ってからも「楽しかった」と言っていたそうです。 実は、部屋の写真や私たちの写真を事前に撮ってもらい、実施する前の日に本人に見せていました。夜もじっくりとスマホの画像をスクロールしながら見ていたそうです。私たち自閉症の専門家の間では、「自閉症の人には予告、予習が大事」ということが常識になっていますが、まったくその通りだと思います。 もう1つ、事前に写真を撮って帰る前に親御さんに伝えたことが、あります。帰り際に保護者の方が「本人はABCで遊べるよ、と伝えますね」と言われていたので、「それだと勘違いするかもしれませんから、お勉強もすると伝えてください」と念を押すように付け加えました。 そのかいもあってか、当日は順調に検査ができたと思います。ある程度、言語理解があって認知の高い自閉症の人には、ことばを正確に使うことが大切になります。面談でもう1つ保護者の方がエピソードを紹介してくれました。ある日、採血をすることになり、事前に「注射をするから」と伝えて病院に出かけたそうです。でも、いざ採血が始まると大泣きをして何とかやり終えたそうです。 後日、その時のことを親に「寝転んで押さえられたのが嫌だった」という趣旨のことを伝えてくれたそうです。その子は、注射の経験もあって座ったままで注射器を当てられていたのに、採血ではベッドに寝転んでされたため、予想と違うことに戸惑いがあったようです。正確に伝える

暴力で問題解決を図るモデル?

幼稚園、保育園、通園施設に行ってよく相談される事例の1つは、何の理由もなく突然、他児を叩く蹴るといった暴力的行動をなんとかしてほしいというものです。そのようなお子さんを観察してみるとヒーローものを演じながら行動していることがあります。 70年代にアメリカの心理学者のバンデューラは、暴力的行動を観た子どもは、その後に暴力的行為を真似ることを実証しました。 ちなみに梅永雄二氏によると彼は、TEACCHの2代目ディレクターのゲーリー・メジボブ氏のスタンフォード大学の院生の時の師匠だそうです。バンデューラは、直接強化されないのに行動変容が生じるということで、行動理論を否定し社会学習理論を打ち立てました。その後、行動分析学からはベアーらが「般化模倣」と呼んでこの現象を行動論的に解説を試みています。 どの言説を取るにせよ、このような現象は、一般に子どもの間で見られるものだと思います。私も子どものころに戦いごっこやプロレスごっこをして遊んでいました。しかし、相手が痛がったり、嫌がったりしたらやめたり、謝ったり、手加減をするなど行動の調整をしながらバランスを取っていました。たまに兄弟間では本気の喧嘩に発展して親から弱化されることもありましたが。とにかく子ども心にフィクションと現実を区別して行動できていたわけです。まさにプロレスみたいな世界ですね。 発達障害のお子さんの中には、相手の様子を敏感に感じ取って自分の行動を変えるとか、手加減をすることが難しい子もいます。ですから、そのような行動レパートリーが身に付いていない幼いお子さんには、戦闘シーンのある子ども番組は見ないようにした方がよいと思います

福岡市のか〜むとおおほり苑に行ってきました

今日は、北九州市の福祉課の課長と福岡市のか〜むとおおほり苑を訪問しました。北九州市でも強度行動障害のひとの支援と取り組みを進めていかなければという思いからです。か〜むでは森口所長が、近隣での研修会講師を務めるため不在だったので、職員の春田氏に案内していただきました。 か~むは、強度行動障害の人の緊急受け入れ施設ですが、直接こちらに相談するのではなく、まず市内14か所にある区の基幹相談支援センターが窓口となって調整をします。ある程度落ち着いたら、地域に移行していくのに調整役を担っているのも基幹相談センターです。各センターには3障害の各専門分野でスーパーバイザーがついています。福岡市が支援センターを統括する役をしていますが、そこにも機能強化委員が1人ついています。箱物だけでなく、人材育成としっかりとした相談支援の体制作り、取りまとめの組織とそれを恒久的に支える仕組み作りなど課題が多くあるなと思います。 か~むは移行施設なので移行先の確保などが現在も課題になっています。行動障害に対応する専門性を身につけ、市内での受け入れ施設を増やすために、研修事業も行われています。しかし、専門性を身につけた同じ施設からの参加に限定されてしまっていることも課題となっています。研修には、県の研修を受けた支援学校の教員も来られているそうです。 去年と引き続き施設を案内してもらいましたが、今回は3回目になります。強度行動障害を受け入れるための設備や設計を行って建てているのですが、さらに構造が変わっていました。1階の廊下はオープンで筒抜けになっていましたが、今回は区切られていましたし床材がはがれた痕がたくさん

シールをズルして貼り付けてしまった!

トークンエコノミーシステムも学校や事業所でよく見かける支援になってきました。トークンエコノミーシステムは応用行動分析ABAから発展してきたものです。 先日、作業学習にトークンを取り入れている場面を見せていただきました。監督者は前の席に座っていていて利用者が作業を完成するのを待っているだけです。みんな粛々と作業を行なっていましたが、作業が終わってから、監督者の方から疑問がぶつけられました。 毎回、目標とする完成個数を決めてもらい、完成する度に前まで報告してもらいシールを渡すようになっています。この前、ある生徒のシートを見せてもらったら、貼り直しをしたと思われるシールをたくさん貼っているので、どうしたの?と問い詰めると他のシートから剥がして貼ったということがわかりました。そしてその生徒は泣き出してしまったそうです。 トークンシステムをうまく活用するには、まず適切な標的行動の設定が大切です。どのように設定すればよいでしょうか? 目標設定は、完成個数で次回の目標は前回よりも少し多くするようにしていたそうです。そうするといつか限界に達するわけですが、それでは無理をしてシールを集めることになります。会社の営業とかでも、ノルマを目標にしてしまうと営業員は苦しくなります。そして不正も起こりやすくなるのではないでしょうか。 ですから、ある程度、個数などの目標が限界に達したら、この表の下にあるような丁寧に作業をするなど、他の目標にした方がよいと思います。もちろん、丁寧に作業をすることも具体的に定義する必要がありますが。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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