介護経営DXの「最適解」~現場のゆとりと持続可能な運営をつくる~
R8.3.4に福岡天神で研修会に参加しました。介護現場のデジタル化は、ここ数年で一気に注目度が高まりました。国の制度改正や加算の新設、ICT導入支援の拡充など、追い風は確実に吹いています。しかし、実際の現場では「DXを進めたいのに進まない」という声が根強く残っています。 今回紹介するのは、 令和6年度に実施されたアンケート結果 をもとに、介護事業所が抱える課題、行政に期待する支援、そして業界全体の動向を整理した内容です。 現場支援に長く携わってきた立場から見ても、「まさに今の介護現場のリアル」が端的に表れたデータだと感じます。この記事では、アンケート結果を読み解きながら、 介護DXを前に進めるために必要な視点 をわかりやすく解説していきます。 ■ 介護DXの最大の壁は「人材不足」 アンケートでは、DX推進に関する課題として次の項目が挙げられています。 DXに関わる人材が足りない(72.9%) 予算の確保が難しい(59.4%) 何から始めればよいかわからない(23.3%) この3つは、全国どの地域でも共通して聞かれる課題です。 特に「人材不足」は、


叱るより、仕組みで変える。ABAがその方法を教えてくれる
子育て・保育・教育の現場では、 「どうしてこうなるの…?」 「何度言っても変わらない…」 そんな“困った”に直面することが少なくありません。 でも実は、 行動には必ず理由があり、変わるための仕組みがあります。 その“理由”と“仕組み”を、誰にでもわかる言葉で解説してくれるのが 『こんな時どうする⁉チャンネル(ABAチャンネル)』 です。 このチャンネルが選ばれている理由 専門家が 難しいABAをやさしく翻訳 3〜10分の短い動画で 忙しい人でもすぐ理解できる 今日から使える実践例が多く 効果が出やすい 保護者・保育士・教員・支援者の どの立場にも役立つ 「もっと早く知りたかった」 「これならできる!」 そんな声が多いのも特徴です。 特に人気の動画はこちら 褒め方で行動が変わる!逆効果にならない褒め方 「行きたくない」の本当の理由と支援のコツ 片づけが苦手な子へのABA的アプローチ 夜、布団に入らない子への3つの対応 注意を引く行動が増える理由と対処法 誤学習(困った行動が増える仕組み)を解説 どれも「現場でそのまま使える」と好評


**オンライン講演「ASD診断大国ニッポン」を聴いて考えたこと― 支援者として、そして一人の臨床家として ―**
昨夜、令和8年3月5日、本田秀夫先生のオンライン講演「ASD診断大国ニッポン」を拝聴しました。 本田先生の語り口はいつもながら穏やかで、しかしデータと臨床の両面から語られる内容は非常に示唆に富んでいました。講演を聞きながら、私はこれまでの現場経験の中で感じてきたこと、そしてABAの実践者としての自分の立ち位置を改めて見つめ直す時間になりました。以下は、講演内容そのものの解説ではなく、 私自身が特に心に残ったポイントと、それを通して考えたこと をまとめたものです。 1. 早期支援が「二次障害を予防する」という確かな手応え 講演の中で最も印象的だったのは、 早期から診断・療育・福祉支援につながったASD児は、成長後に二次障害を起こしにくい という点でした。しかも、ただ「問題が少ない」というだけではなく、生活習慣や余暇活動、セルフケアなど、 生活の質(QOL)が高い という事実が示されていました。私はこれを聞きながら、 「療育とは“問題行動を減らす”ためのものではなく、“その人らしく生きる土台を整える”営みなのだ」 という当たり前のことを、改めて
研修レポート】福津みらい放デイ・児発向けABAシリーズ研修― 第7回「ルール支配行動と言語行動」実践編 ―
福津市の放課後等デイサービス・児童発達支援「みらい」の職員の皆さまを対象に、今年度のABA(応用行動分析)シリーズ研修の第7回を実施しました。今回のテーマは、 「言語行動の理解」と「ルール支配行動」 。 言語やことばの不思議な働きをどう理解し、どう支援につなげるか。現場で必ず役立つ内容を、演習を交えながら深く学んでいただきました。 1. 言語行動の5分類を現場でどう使うか スキナーの言語行動論では、言語行動を「話している内容」ではなく、 “どのような機能で使われているか” で分類します。今回の研修では、前回の復習も兼ねて、以下の5つの言語行動を具体例とともに整理しました。 マンド(要求) 動機づけ操作を先行事象として生じる言語行動。 例:「あそぼう」「ジュースちょうだい」 タクト(命名・説明) 環境刺激を先行事象として生じる言語行動。 例:「飛行機だ」「赤い車が来た」 エコーイック(復唱) 聞き手の言語行動をそのまま模倣する。 例:「プゼレントじゃなくてプレゼントだよ」→「プレゼント」 イントラバーバル(会話) 言葉に対して言葉で返す


佐賀それいゆでの3日間研修を終えて―アセスメントに基づく支援を体験する3日間―
今年も佐賀市の「それいゆ相談センター」にて、3日間の実技研修を担当させていただきました。実施日は2月28日から3月2日までの3日間です。年度末の慌ただしい時期にもかかわらず、外部から7名、内部から3名と施設スタッフの皆さまも参加してくださり、会場には学びへの熱意と前向きな空気が満ちていました。 今回の研修の中心に据えたのは、 「アセスメントを基盤に支援を組み立てること」 です。 支援の根拠をどこに置くのか、どの情報をもとに環境を整え、課題を作り、行動を理解するのか――そのすべての出発点がアセスメントです。 アセスメントには二つの柱があります。 TTAPに代表されるフォーマルアセスメント 日常の行動観察や生活情報を含むインフォーマルアセスメント フォーマルアセスメントは客観的な枠組みを提供し、インフォーマルアセスメントは具体的な支援を考える際に欠かせない“生活の文脈”を与えてくれます。今回の研修では、この両者を丁寧に扱い、特に 1日目に実施したアセスメント情報を、3日間のすべての議論の共通基盤として使うこと を大切にしました。 協力者として参加して


米国ノースカロライナ州 TEACCH調査報告書 齊藤宇開・今本 繁
日程 平成17年2月14日から17日 (13日移動日,14日~17日;TEACCH部,18日移動日) The University of North Carolina at Chapel Hill(Division TEACCH) ノースカロライナ州立大学 チャペルヒルキャンパス(TEACCH部) TEACCH本部( http://www.teacch.com/ ) 訪問先(スケジュール) (敬称は,略させて頂いています。) 14日(月) 8:30から10:00 援助付き就労について講義 マイク・チャップマン 援助付き雇用TEACCH A&Rについてのレクチャ- 10:00から13:00 SAS(親の会)の援助付き就労 ジョブサイト訪問 マイク・チャップマン 13:00から15:30 自由時間およびTEACCHへの移動時間 15:30から16:30 チャペルヒル・ TEACCHセンター の所長, リー・マーカス博士 に会う。IEPについての協議 15日(火) 9:00から10:00 ラーレイにある 自閉症協会(ASNK
「Q-SACCS」と「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」― 子どもと家族を支える“地域の力”を見える化する ―
2月26日(木)の夜間オンラインで、こども家庭庁の研究課題(24D0401)による第9回勉強会に参加しました。今回のテーマは、 知的障害・発達障害のある子どもとその家族のQOLをどう維持し、どう高めていくか 。香川県まんのう町(人口1.7万人)と広島県安芸高田市(人口2.5万人)という、比較的小規模ですが、先進的な自治体の取り組みが紹介されました。その中で、私自身が「これは知らなかった」と驚かされたキーワードが二つあります。 それが 「Q-SACCS(キューサックス)」 と 「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」 です。どちらも、子どもと家族を支えるために地域がどう連携し、どう仕組みを整えていくかを考えるうえで、とても重要な視点を与えてくれるものでした。今日は、この二つをできるだけわかりやすく紹介したいと思います。 ◆ Q-SACCSとは何か Q-SACCSは、正式には Quick Structural Assessment of Community Care System for neurodevelopmental disor


【研修レポート】名古屋セミナー報告― 行動は“教えればできる”。環境が整えば“自然にできる”。
2月22日(日)、大河ドラマ「豊臣兄弟」で盛り上がっている名古屋で ABAに基づく行動の指導(レベルB) をテーマにしたセミナーを開催しました。 午前中は、困難事例を抱える放課後等デイサービスと発達障害児を診ている小児病棟の事例を取り上げながら、 単一型行動と複合型行動の指導方法 を深く掘り下げました。今回の研修は、単なる「行動の見方」ではなく、 “行動をどう教えるか”を具体的に学ぶ実践編 。 参加者の皆さんの表情が、講義が進むにつれて「なるほど」「そういうことか」と変わっていくのが印象的でした。 ■ 単一型行動とは? ひとつの合図(弁別刺激)に対して、ひとつの行動をするスキル のことです。 「右手あげて」と言われて右手をあげる 赤信号を見て、交差点で止まる 自分の帽子を取ってくる 棚の名前を見てカバンを置く 合図 → 行動 → 結果 がシンプルで、 “できる・できない”が明確に分かるのが特徴です。 ■ 複合型行動とは? 複数の行動が順番に組み合わさってできるスキル のことです。 着替える 荷物の準備をする レクの説明中に座り続ける 服を


【訪問記】ネストデザイン──“つくること”が生きる力になる場所
ASD支援の視点から見えた、創作と福祉の新しいかたち 今日は、北九州にある就労継続支援B型事業所「ネストデザイン」を訪問してきました。 ここは、単なる作業所ではありません。 “つくること”を中心に据え、利用者さん一人ひとりの「らしさ」をそのまま作品として世の中に届けていく、独自の世界観を持ったアトリエのような場所です。 資料にもあるように、ネストデザインの理念はとても明確です。 「作品そのもので評価される世界を目指しています。」 福祉だから応援される、ではなく、 “作品として魅力があるから評価される”。 この姿勢が、空間にも、スタッフにも、作品にも一貫して流れていました。 ■ アートディレクター嶋田さんの“異色の経歴”が生む世界観 ネストデザインを率いるアートディレクターの嶋田良二さんは、元々デザイン会社で活躍されていた方。 退職後に福祉の世界へ飛び込み、今ではB型事業所の統括マネージャーとして現場を支えています。 資料の写真にもあるように、 「今日も創作作業が続きます。集中してたり、してなかったり(笑)」 と、肩の力が抜けたコメントが印象的です


【公開研修会レポート】ASDの特性理解と強度行動障害への支援を学ぶⅡ
― 応用行動分析(ABA)と合理的配慮を軸に、学校と福祉が連携した北九州市の新しい取り組み ― 2026年1月8日、北九州市立小倉南特別支援学校にて開催された公開研修会は、教育と福祉が連携して取り組む全国的にも珍しい試みとして、多くの注目を集めました。年始の忙しい時期にもかかわらず、会場には小倉南支援学校の教員約100名に加え、市内の支援学校・支援級・通級の教員、校長、教育委員会の指導主事など、総勢190名以上が参加。 「強度行動障害」「ASD支援」「合理的配慮」「ABA(応用行動分析)」 といったテーマへの関心の高さが、数字としても明確に表れた研修会となりました。 ■ 第1部:安川氏による1年間のコンサルテーション成果報告 今回の研修の核となったのは、自閉症(ASD)支援特化型事業所 sTack 管理者であり、北九州市立小倉南特別支援学校のコンサルタントとして1年間伴走してきた 安川渉寛氏 による成果報告です。 安川氏は、学校現場における強度行動障害の予防と改善を目的に、児童生徒一人ひとりの特性に応じた支援を丁寧に構築してきました。...













