

米国ノースカロライナ州 TEACCH調査報告書 齊藤宇開・今本 繁
日程 平成17年2月14日から17日 (13日移動日,14日~17日;TEACCH部,18日移動日) The University of North Carolina at Chapel Hill(Division TEACCH) ノースカロライナ州立大学 チャペルヒルキャンパス(TEACCH部) TEACCH本部( http://www.teacch.com/ ) 訪問先(スケジュール) (敬称は,略させて頂いています。) 14日(月) 8:30から10:00 援助付き就労について講義 マイク・チャップマン 援助付き雇用TEACCH A&Rについてのレクチャ- 10:00から13:00 SAS(親の会)の援助付き就労 ジョブサイト訪問 マイク・チャップマン 13:00から15:30 自由時間およびTEACCHへの移動時間 15:30から16:30 チャペルヒル・ TEACCHセンター の所長, リー・マーカス博士 に会う。IEPについての協議 15日(火) 9:00から10:00 ラーレイにある 自閉症協会(ASNK
「Q-SACCS」と「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」― 子どもと家族を支える“地域の力”を見える化する ―
2月26日(木)の夜間オンラインで、こども家庭庁の研究課題(24D0401)による第9回勉強会に参加しました。今回のテーマは、 知的障害・発達障害のある子どもとその家族のQOLをどう維持し、どう高めていくか 。香川県まんのう町(人口1.7万人)と広島県安芸高田市(人口2.5万人)という、比較的小規模ですが、先進的な自治体の取り組みが紹介されました。その中で、私自身が「これは知らなかった」と驚かされたキーワードが二つあります。 それが 「Q-SACCS(キューサックス)」 と 「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」 です。どちらも、子どもと家族を支えるために地域がどう連携し、どう仕組みを整えていくかを考えるうえで、とても重要な視点を与えてくれるものでした。今日は、この二つをできるだけわかりやすく紹介したいと思います。 ◆ Q-SACCSとは何か Q-SACCSは、正式には Quick Structural Assessment of Community Care System for neurodevelopmental disor


【研修レポート】名古屋セミナー報告― 行動は“教えればできる”。環境が整えば“自然にできる”。
2月22日(日)、大河ドラマ「豊臣兄弟」で盛り上がっている名古屋で ABAに基づく行動の指導(レベルB) をテーマにしたセミナーを開催しました。 午前中は、困難事例を抱える放課後等デイサービスと発達障害児を診ている小児病棟の事例を取り上げながら、 単一型行動と複合型行動の指導方法 を深く掘り下げました。今回の研修は、単なる「行動の見方」ではなく、 “行動をどう教えるか”を具体的に学ぶ実践編 。 参加者の皆さんの表情が、講義が進むにつれて「なるほど」「そういうことか」と変わっていくのが印象的でした。 ■ 単一型行動とは? ひとつの合図(弁別刺激)に対して、ひとつの行動をするスキル のことです。 「右手あげて」と言われて右手をあげる 赤信号を見て、交差点で止まる 自分の帽子を取ってくる 棚の名前を見てカバンを置く 合図 → 行動 → 結果 がシンプルで、 “できる・できない”が明確に分かるのが特徴です。 ■ 複合型行動とは? 複数の行動が順番に組み合わさってできるスキル のことです。 着替える 荷物の準備をする レクの説明中に座り続ける 服を


【訪問記】ネストデザイン──“つくること”が生きる力になる場所
ASD支援の視点から見えた、創作と福祉の新しいかたち 今日は、北九州にある就労継続支援B型事業所「ネストデザイン」を訪問してきました。 ここは、単なる作業所ではありません。 “つくること”を中心に据え、利用者さん一人ひとりの「らしさ」をそのまま作品として世の中に届けていく、独自の世界観を持ったアトリエのような場所です。 資料にもあるように、ネストデザインの理念はとても明確です。 「作品そのもので評価される世界を目指しています。」 福祉だから応援される、ではなく、 “作品として魅力があるから評価される”。 この姿勢が、空間にも、スタッフにも、作品にも一貫して流れていました。 ■ アートディレクター嶋田さんの“異色の経歴”が生む世界観 ネストデザインを率いるアートディレクターの嶋田良二さんは、元々デザイン会社で活躍されていた方。 退職後に福祉の世界へ飛び込み、今ではB型事業所の統括マネージャーとして現場を支えています。 資料の写真にもあるように、 「今日も創作作業が続きます。集中してたり、してなかったり(笑)」 と、肩の力が抜けたコメントが印象的です


【公開研修会レポート】ASDの特性理解と強度行動障害への支援を学ぶⅡ
― 応用行動分析(ABA)と合理的配慮を軸に、学校と福祉が連携した北九州市の新しい取り組み ― 2026年1月8日、北九州市立小倉南特別支援学校にて開催された公開研修会は、教育と福祉が連携して取り組む全国的にも珍しい試みとして、多くの注目を集めました。年始の忙しい時期にもかかわらず、会場には小倉南支援学校の教員約100名に加え、市内の支援学校・支援級・通級の教員、校長、教育委員会の指導主事など、総勢190名以上が参加。 「強度行動障害」「ASD支援」「合理的配慮」「ABA(応用行動分析)」 といったテーマへの関心の高さが、数字としても明確に表れた研修会となりました。 ■ 第1部:安川氏による1年間のコンサルテーション成果報告 今回の研修の核となったのは、自閉症(ASD)支援特化型事業所 sTack 管理者であり、北九州市立小倉南特別支援学校のコンサルタントとして1年間伴走してきた 安川渉寛氏 による成果報告です。 安川氏は、学校現場における強度行動障害の予防と改善を目的に、児童生徒一人ひとりの特性に応じた支援を丁寧に構築してきました。...
医療と福祉が出会う場所をめざして―元北九州市総合療育センター副所長・河野医師と訪れたNPO法人さんぽ見学記
2月9日に北九州市のNPO法人さんぽを河野先生と訪問し、医療と福祉の連携について意見交換を行いました。今回の見学は、単なる施設紹介にとどまらず、地域で支援を必要とする方々にとってより良い環境をつくるための大切な一歩になったと感じています。本記事では、当日の見学内容や懇談での学び、そしてさんぽが地域で果たしている役割について記すとともに、地域に向けた情報発信の観点からも整理しています。 さんぽが大切にしている理念と地域での存在感 https://sannpo-yahatahigasi.jimdofree.com/ さんぽは、生活介護、放課後等デイサービス、居宅介護、行動援護、移動支援、重度訪問介護、グループホームなど、多岐にわたる事業を展開している法人です。「寄り添い」「信頼」「協調・協働」を大切にし、利用者一人ひとりの幸福を追求する姿勢が一貫しています。 代表の高村壮士氏は「ポジティブ行動支援北九州」の代表も務め、地域の強度行動障害支援者の育成にも力を注いでいます。現場の支援だけでなく、地域全体の支援力を高める取り組みを続けていることは、北


北九州市保育マイスター認定式の直後に開催された保育士研修
子どもの行動を理解し、支援につなげるために必要な視点とは 2月3日、北九州市役所3階の大集会室では、全国初の北九州市保育マイスター認定式 https://www.youtube.com/watch?v=l-lXw7skfuw に続いて、保育士向けの研修会が開催されました。 認定式の熱気が残る会場に、現場で日々子どもたちと向き合う保育士の皆さんが集まり、真剣な表情で席に着かれていました。 今回の研修は、これまで10年以上にわたり市の直営保育所を対象に行われてきたものですが、令和7年度に初めて 民間保育所も参加対象に加わった という大きな節目の年でした。 募集開始からわずか1日で定員に達し、保育現場でのニーズの高さを改めて実感しました。 さらに驚いたのは、参加者全員が事前課題として配布した ABAの行動分析シートを提出してくださったこと です。 どのシートも丁寧に書かれており、子どもを理解しようとする姿勢が伝わってきました。 このような質の高い研修は、これからの就学前支援に大きな力になると感じています。 子どもの行動には必ず理由があります 保育現場で
強度行動障害の支援は「行動の意味」を理解することから始まります
八女地区すいれん研修会でお伝えした“支援者が前向きになるABAの視点” 強度行動障害のある方への支援は、日々の現場で最も負担が大きく、支援者の心身をすり減らしやすい領域です。 「どうしてこんな行動をするのか分からない」「何をしても改善しない」「家庭や施設が疲弊してしまう」 こうした声は、私がコンサルテーションで伺う現場でも常に聞かれています。 今回、八女地区障害者地域生活支援拠点センターすいれん主催の研修会で、強度行動障害のある方の行動問題をどのように理解し、どのように支援につなげていくかについてお話ししました。 この記事では、その内容を整理し、支援者の方々が明日からの支援に活かせる視点をまとめていきます。 強度行動障害は「個人の問題」ではなく「環境との相互作用」で理解します 強度行動障害は、自傷・他害・物壊し・パニックなど、通常では考えられない頻度で行動問題が生じ、対応が難しい状態を指します。 しかし、ABA(応用行動分析)の視点では、これらの行動は“その人の性格や心の弱さ”ではなく、 環境との相互作用の中で生じている と考えます。...










