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介護経営DXの「最適解」~現場のゆとりと持続可能な運営をつくる~

  • 13 時間前
  • 読了時間: 5分

R8.3.4に福岡天神で研修会に参加しました。介護現場のデジタル化は、ここ数年で一気に注目度が高まりました。国の制度改正や加算の新設、ICT導入支援の拡充など、追い風は確実に吹いています。しかし、実際の現場では「DXを進めたいのに進まない」という声が根強く残っています。

今回紹介するのは、令和6年度に実施されたアンケート結果をもとに、介護事業所が抱える課題、行政に期待する支援、そして業界全体の動向を整理した内容です。 現場支援に長く携わってきた立場から見ても、「まさに今の介護現場のリアル」が端的に表れたデータだと感じます。この記事では、アンケート結果を読み解きながら、介護DXを前に進めるために必要な視点をわかりやすく解説していきます。


■ 介護DXの最大の壁は「人材不足」

アンケートでは、DX推進に関する課題として次の項目が挙げられています。

  • DXに関わる人材が足りない(72.9%)

  • 予算の確保が難しい(59.4%)

  • 何から始めればよいかわからない(23.3%)

この3つは、全国どの地域でも共通して聞かれる課題です。 特に「人材不足」は、単に“ITに詳しい人がいない”という意味だけではありません。

● 現場の人員配置がギリギリ

介護現場は慢性的な人手不足です。 「ICT導入を進めたいが、調べる時間も、比較検討する時間もない」という声は非常に多い。

● 専任担当者を置けない

中規模以下の事業所では、ICT担当者を専任で置くことはほぼ不可能です。 結果として、施設長や管理者が“片手間でDX担当”になり、導入が遅れるケースが多発しています。

● 導入後の運用が続かない

ICTは導入して終わりではありません。 「使いこなせる人がいない」「設定変更ができない」「トラブル対応ができない」など、運用フェーズでつまずく事業所も少なくありません。

■ 行政に期待される支援は「補助金」と「先進事例の公開」

アンケートでは、行政に期待する支援として次の項目が挙げられています。

  • 補助金・助成金(34.9%)

  • 先進事例の公開(12.5%)

  • 研修制度(11.6%)

  • DX推進指針の策定・公表(10.3%)


補助金のニーズが高いのは当然として、注目すべきは「先進事例の公開」です。

● 成功事例が見えないと動けない

介護事業所は、医療や教育と同じく“前例”を重視する文化があります。 「同じ規模の施設がどのICTを導入して、どれだけ効果が出たのか」 この情報があるだけで、導入のハードルは大きく下がります。

● 研修制度の充実も不可欠

ICTは“触って覚える”部分が大きいため、座学だけでは不十分です。 実機を使った研修や、導入後のフォローアップ研修が求められています。

■ 現場が抱える4つの本音

アンケートには、次のような現場の声も示されています。

  • 時間がない

  • デジタル人材がいない

  • 費用をかけたくない

  • 情報が欲しい

これは、私が全国の現場支援で聞いてきた声と完全に一致します。

● 時間がない

ICT導入は「緊急ではないが重要」な領域。 日々のケア業務に追われ、後回しになりがちです。

● デジタル人材がいない

“ITに詳しい職員”がいても、介護業務との兼務で手が回らないことが多い。

● 費用をかけたくない

補助金があっても、ランニングコストを嫌う事業所は多い。 「導入したけど使わなかったら無駄になる」という不安もあります。

● 情報が欲しい

ICT製品は種類が多く、比較が難しい。 「どれを選べばいいかわからない」という声は非常に多いです。

■ 介護業界全体の動き:生産性向上が本格化

アンケート資料には、介護業界の動向として次の項目が示されています。

  • 生産性向上委員会の義務化(2027年度〜)

  • 生産性向上推進体制加算

  • 処遇改善加算の「職場環境等要件」

  • 生産性向上総合相談センターの設置

  • 生産性向上ガイドラインの整備

  • 介護デジタル中核人材育成研修

  • 介護テクノロジー導入支援事業


これらは、国が「介護DXを本気で進める」という強いメッセージを発している証拠です。

● 2027年度からの義務化は大きな転換点

生産性向上委員会の義務化は、事業所にとって大きなインパクトがあります。 これにより、DXは“やった方がいい”から“やらなければならない”へと変わります。

● 加算と研修がセットで進む

加算を取得するためには、研修や体制整備が必要になります。 つまり、DX推進のための人材育成が必須になるということです。

■ 物価上昇・賃上げへの支援も拡充

介護分野では、物価上昇や賃上げに対応するための支援も進んでいます。

  • 施設・居住系

  • 多機能系

  • 短期入所系

これらのサービス種別ごとに、国は財政的な支援を行っています。 DXとは直接関係ないように見えますが、実は密接に関連しています。

● DXは「コスト削減」ではなく「価値創出」へ

物価上昇や賃上げが続く中、事業所が生き残るためには、 “限られた人員で質を落とさずにサービスを提供する仕組み”   が必要です。

その中心にあるのが、まさにDXです。

■ では、現場は何から始めればいいのか?

アンケート結果を踏まえると、次の3つが最初のステップになります。

① 現場の課題を“見える化”する

  • どの業務に時間がかかっているのか

  • どの場面でミスが起きやすいのか

  • どの書類が負担になっているのか

これを整理するだけで、導入すべきICTが明確になります。

② 小さく始める

いきなり大規模なシステム導入をする必要はありません。

  • 申し送りのデジタル化

  • 記録の簡素化

  • インカム導入 など、小さな成功体験を積むことが大切です。

③ 伴走支援を受ける

ICTは“導入して終わり”ではありません。 外部の専門家や研修機関と連携し、運用までサポートを受けることで、定着率は大きく変わります。

■ まとめ:介護DXは「人」と「仕組み」が鍵

今回のアンケート結果から見えてくるのは、 介護DXの本質は“テクノロジー”ではなく“人と仕組み”である   ということです。

  • 人材不足

  • 情報不足

  • 運用の難しさ

  • 費用への不安

これらはすべて、現場の“人”に関わる課題です。 だからこそ、行政の支援や研修制度、伴走支援が重要になります。

介護DXは、現場の負担を減らし、利用者の生活の質を高め、働く人のやりがいを守るための取り組みです。 今回のアンケート結果をきっかけに、より多くの事業所が一歩を踏み出すことを願っています。

 
 
 

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