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「Q-SACCS」と「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」― 子どもと家族を支える“地域の力”を見える化する ―

  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

2月26日(木)の夜間オンラインで、こども家庭庁の研究課題(24D0401)による第9回勉強会に参加しました。今回のテーマは、知的障害・発達障害のある子どもとその家族のQOLをどう維持し、どう高めていくか。香川県まんのう町(人口1.7万人)と広島県安芸高田市(人口2.5万人)という、比較的小規模ですが、先進的な自治体の取り組みが紹介されました。その中で、私自身が「これは知らなかった」と驚かされたキーワードが二つあります。 それが 「Q-SACCS(キューサックス)」 と 「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」 です。どちらも、子どもと家族を支えるために地域がどう連携し、どう仕組みを整えていくかを考えるうえで、とても重要な視点を与えてくれるものでした。今日は、この二つをできるだけわかりやすく紹介したいと思います。


◆ Q-SACCSとは何か

Q-SACCSは、正式には Quick Structural Assessment of Community Care System for neurodevelopmental disorders といい、日本語では「発達障害の地域支援システムの簡易構造評価」と訳されています。

一言でいえば、 “地域の支援体制を見える化するためのツール” です。

発達障害のある子どもと家族を支えるには、行政、医療、教育、福祉、そして地域住民など、多くの人が関わります。しかし、関係者が多いほど「誰が何をしているのか」「どこに強みがあり、どこに課題があるのか」が見えにくくなります。Q-SACCSは、これを整理し、構造的に把握するための“地図づくり”のようなものです。


● どんなことをするのか

Q-SACCSでは、地域に存在する支援資源を

  • 日常生活レベル

  • 専門家レベル

  • 医療レベル に分けて整理します。

さらに、行政や専門機関だけでなく、地域のボランティアやインフォーマルな支援も含めて一覧化します。すると、

  • この地域は医療が弱い

  • 専門家はいるが、家庭支援が薄い

  • インフォーマルな支援が意外と豊か といった“地域の姿”が浮かび上がってきます。


● 何が良いのか

Q-SACCSの良さは、多職種が一緒に話し合うことにあります。 行政、学校、相談支援、医療、福祉などが一つのテーブルにつき、同じシートを見ながら議論します。すると、「そんな支援があったんですね!」「ここは誰が担うべきでしょう?」「この部分はまだ手つかずですね」 といった気づきが生まれます。

支援体制は“つくる”だけでなく、“見える化する”ことで初めて改善が進みます。Q-SACCSはそのための強力なツールなのです。


◆ 家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクトとは

もう一つ印象的だったのが、家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクトという考え方です。

これは、

  • 家庭(保護者)

  • 教育(学校)

  • 福祉(児童発達支援・相談支援・行政) 

の三者が、切れ目なく連携するための仕組みづくりを指します。


● なぜ三角形なのか

子どもを支えるとき、家庭だけでは抱えきれないことがあります。 学校だけでは対応しきれないこともあります。 福祉だけでは生活全体を見通せないこともあります。三者がつながることで、初めて“子どもの生活全体”が見えてきます。


● 具体的にはどんなこと?

  • 家庭・学校・福祉の三者会議

  • 個別支援計画と教育支援計画の連動

  • 相談支援専門員と学校の協働

  • 保護者支援プログラムの共同実施

  • 行政がコーディネート役を担う

こうした取り組みは、名称は違っても全国で少しずつ広がっています。


◆ 北九州市ではどうか

北九州市は、発達障害支援において全国的にも先進的な取り組みを多く行っています。しかし、今回紹介された

  • Q-SACCSの公式導入

  • 「家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクト」という名称の施策 については、現時点で公表情報としては確認できません。


ただし、実質的に同じ方向性の取り組みは多く存在します。 教育委員会と発達障害者支援センターの連携、相談支援との協働、保育・学校・福祉の連携会議など、北九州市はもともと“つながる文化”が強い地域です。今回の勉強会で紹介された取り組みは、北九州市の支援体制をさらに強くするヒントになると感じました。


◆ 最後に

Q-SACCSも、家庭―教育―福祉トライアングルプロジェクトも、共通しているのは 「子どもと家族を中心に置く」 という視点です。

支援者がどれだけ専門的でも、制度がどれだけ整っていても、家庭が孤立してしまえば支援は機能しません。逆に、家庭・学校・福祉がつながり、地域の支援体制が見える化されると、子どもと家族のQOLは大きく向上します。

今回の勉強会で学んだことを、北九州市の現場でも活かしていきたいと思います。そして、こうした取り組みが全国に広がり、どの地域でも“安心して子育てできる社会”が実現することを願っています。

 
 
 

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