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発達障害の人が増えたのは?

先日は保育士の人を対象にした発達障害の理解と対応に関する研修会があり、講師のひとりとして参加しました。ベテランの保育士の人に発達障害の子どもは増えたと思いますか?と聞くとみんな増えたと思うと答えました。自閉症スペクトラム障害を含めて発達障害の人は増えているのでしょうか?


これは私が20年前にノースカロライナ州のグリーンビルTEACCHセンターに留学した時にも、TEACCHのディレクターやCDCの所長に同じような質問をした覚えがあ智ます。彼らの答えは、実数として増えているかどうかは別にして、発達障害が昔よりも知られるようになって診断される子どもが増えたのではないかというものでした。また疫学調査では、工業地域に多い、米軍の基地内が多い、シリコンバレーは多いなどというものでした。


私も発達障害が一般によく知られるようになって診断される子どもが増えたのではという意見に賛同します。私はもう1う産業構造の変化が潜在的に発達障害のある人の不適応を増加させたのではないかという説を持っています。下記の図は1950年から2019年にかけての産業構造の変化を示します。年代が進むにつれて農林水産業が減少し、工業の従事者が横ばい、サービス業の割合が大幅に増えています。サービス業は、対人関係を基本とする仕事なので自閉症スペクトラムの人は苦手な業種です。

また下記の図はさらに産業別に細かい就業者数を示しています。第3次産業も含めて産業が高度化してよりきめ細かさや統率を必要するようになっています。これらの変化も、発達障害のある人には苦手な分野が多くなります。しかも、産業構造の変化に伴って、高等教育や学校教育も変化し、学習障害やADHDの子どもの特性が顕著になってきたのではないでしょうか。

一方で、発達障害の人は強みも持っていますし社会で活躍している人も大勢います。より細分化、個別化し、高度化した教育が必要になってきますし、職業選択や準備のための教育が必要になってくるのではないでしょうか。

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