親が子どもに言い聞かせるように叱責すると・・・①

先日、成人の生活介護施設に行って職員の方と行動問題の事例について検討しました。20代の自閉症の男性利用者Aさんは、職員の目の前で洗剤を口にして「洗剤飲む?」と疑問形で宣言し実際に飲もうとするそうです。

職員の方が考えた対応法は、まず①洗剤を隠すこと、②洗剤を飲むことは良くないことを洗面台に視覚的に掲示するというものでした。②については、禁止であっても洗剤の絵を掲示することで、目について洗剤を探したりするのではないかと他の職員が不安に感じていました。

私は、これまでの勉強会で伝えたことを思い出してもらうために、行動問題に対応する時の基礎を説明しました。行動問題に対応するには、目に付く行動にとらわれてそれを無くそうとします。でも、そうではなくまず、そのような行動をする原因を明らかにすることが大切です。その行動が周囲にどういう影響力を持っているか(機能)をアセスメントします。ABC分析がその具体的な方法論です。

何人かの職員に聞いてみると、「注意引き」ではないかということでした。もう少し詳しく聞くと、職員が近くにいるとそのような質問をしてくるので、ある職員は「洗剤飲んだらダメ!」とすぐに注意をしていたそうです。あまりそのような行動をしてこないという職員もいて、その職員はAさんがそのような言動をしてもあまり反応しないと言っていました。前者の職員は、いけないことや間違ったことをしたら注意をしないとダメじゃないかと考えて、「〇〇ダメ!」と言って注意する対応していました。

その職員の方は、ちょうど幼児と小学生のお子さんを持っている主婦の方でした。子どもにはいつもそうしているし、それが当たり前だと考えておられました。私は、その職員が間違っているとか責めるつもりはありません。通常の子育てであれば当然の対応だからです。しかし、重度の知的遅れがあり、ことばの理解が遅れ、自閉症の特性が強い人には逆効果になってしまうことがあります。実際、叱責しているつもりでもAさんには叱責として機能していないのです。逆に行動を促しているようです。

通常のしつけやかかわりが全く逆効果でうまくいかないというのは、自閉症に人に初めて会う人が感じる葛藤や苦悩だと思います。私もそうでしたし保護者の方のそれは想像もできないくらいです。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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