原因を推定しないで対応すると・・・

 最近、武藤崇先生(2011)のACTハンドブックを読み返していますが、そこにある学校の生徒の自傷行動に対する情緒的で心優しい先生の対応についての記述があります。

 「ある発達障害の生徒が教室の壁に自らの頭を繰り返して打ちつけるという自傷行動を生起させると、必ず先生のうち誰かが『ストレスが溜まっているのね、大丈夫よ』と言って肩をさするという対応をとっていた。そうすると、その生徒は、すぐに自傷行動を止め、先生に促されて席に着く。しかし、その先生が他の生徒の対応に追われ、その場を離れると、先ほど自傷行動をしていた生徒は再び自傷を始めるようになった (ACTハンドブック, 23p) 。」

 この生徒さんの行動の機能は、注意獲得であることがわかると思います。ですからこの先生はこの生徒さんの自傷行動を強化していることになります。この先生は、思いやりのある優しい先生だということはわかるのですが、生徒の行動を強化してしまっていることに気が付いていません。

 ですから、どんな行動上の問題に対処する上でも、まず機能アセスメントやABC分析を行って行動の原因を探ることが大切なのです。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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