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障害だから行動は変わらないのか?

  先日、ある特例子会社の就労支援現場でのコンサルテーションに伺った際に、会社の責任者の人と話す機会がありました。会社では役員をされているので、これまで奥の机に座っておられて挨拶以外にあまりお話する機会がなかったのですが、幾つかあるセンターの所長や職員に欠員が出て現場に出てこられるようになり、この日たまたま現場におられたので、合間に考えを聞かせていただきました。この方は経営専門で自閉症のことはもちろん、応用行動分析のこともご存じありませんが、率直に考えを述べてくださいました。

 「今本さん、障害だから行動は変えられないのですか?私は躾で変えられるんじゃないですかね。この前、昼間に好きなだけ買ってきたものをむしゃむしゃ食べるAさんがいて、体型もメタボ体型で健診でもひっかかってたんですよ。だから、『あんまり食べると成人病になるから控えめにした方がいいよ』と注意したんです。そりゃ一回じゃ聞きませんから、何度も繰り返し、病気になるからという理由を話して、食べる量を具体的に伝えるようにしたら1,2か月経った今は、ちょうど良い食事量に落ち着いています。おっといけねえ、用事があるのでこれで失礼します。」と江戸っ子ことばで簡潔に述べるとすぐにご自分の仕事に戻って行かれました。

 なかなかポイントをついているなと思ったのは、障害や状態像に焦点を当てるのではなく、行動に焦点を当てていることと、実際にこの人に働きかけて行動変容に成功している点です。また、ほんの短期間センターにいるだけなのに、自分の部下のように愛情を持って接していらっしゃるのが素敵だなと思いました。

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