障害だから行動は変わらないのか?

  先日、ある特例子会社の就労支援現場でのコンサルテーションに伺った際に、会社の責任者の人と話す機会がありました。会社では役員をされているので、これまで奥の机に座っておられて挨拶以外にあまりお話する機会がなかったのですが、幾つかあるセンターの所長や職員に欠員が出て現場に出てこられるようになり、この日たまたま現場におられたので、合間に考えを聞かせていただきました。この方は経営専門で自閉症のことはもちろん、応用行動分析のこともご存じありませんが、率直に考えを述べてくださいました。

 「今本さん、障害だから行動は変えられないのですか?私は躾で変えられるんじゃないですかね。この前、昼間に好きなだけ買ってきたものをむしゃむしゃ食べるAさんがいて、体型もメタボ体型で健診でもひっかかってたんですよ。だから、『あんまり食べると成人病になるから控えめにした方がいいよ』と注意したんです。そりゃ一回じゃ聞きませんから、何度も繰り返し、病気になるからという理由を話して、食べる量を具体的に伝えるようにしたら1,2か月経った今は、ちょうど良い食事量に落ち着いています。おっといけねえ、用事があるのでこれで失礼します。」と江戸っ子ことばで簡潔に述べるとすぐにご自分の仕事に戻って行かれました。

 なかなかポイントをついているなと思ったのは、障害や状態像に焦点を当てるのではなく、行動に焦点を当てていることと、実際にこの人に働きかけて行動変容に成功している点です。また、ほんの短期間センターにいるだけなのに、自分の部下のように愛情を持って接していらっしゃるのが素敵だなと思いました。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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