遊びながら自然に行動を良い方向に向けてもらうには?

放課後デイサービスに新年度やってくるお子さんがいる中で多動で活発すぎて、どうにも行動が落ち着かない、危険な行為が多い子もいると思います。スタッフの方々は、そこで頭を悩ますわけですが、どうしたらいいでしょうか。

ある施設ではこのように対応していました。小学校1年生のお子さんがスキップしたり跳んだり跳ねたりしながら広い室内を走り回っていました。そして子どもが入って遊ぶ箱の台の上でに上がった時点で職員が「あがったらダメでしょう」と注意して、子どもを抱っこして降ろしてました。でも少しするとまた子どもが台にあがります。ある職員は「上がりません!」と言いながらも「それー」と言いながら抱っこして振り回しながら下ろしています。そしてまた子どもは上がる・・・・

たまたま送迎の運転士さんが教室の人手が足りないとかで、5分ほど子どもを見ることになりました。体格のいいその運転士さんに乱暴な子どもは体当たりをします。運転士さんはびくともしないのでそれを受けながら相手をしていると他の子どもも真似をして体当たりをします。乱暴なお子さんは今度はその運転士さんを蹴るようになりました。まるで戦隊もののヒーローになりきったたような様子です。屈強な運転士さんは痛くもかゆくもないので受けながら相手をしてあげていました。そしてどんどんその子どもは興奮して蹴ったり叩いたりがエスカレートしていきました。

行動理論は、行動が続いたり強められるメカニズムを明らかにしてくれます。上の例では

子どもの行動:休憩の箱の台に上る   →結果:大人に抱っこしてもらえる 

子どもの行動:休憩の箱の台に上る   →結果:大人に振る舞わしてもらえる

子どもの行動:運転士さんに体当たりする→結果:相手をしてくれる

子どもの行動:蹴ったり叩いたりする  →結果:相手をしてくれる

いずれも子どもの行動に対して、本人が満足するような結果がもたらされています。このように行動の直後に本人にとって好ましい結果が伴うと行動が強められエスカレートしていきます。これを「強化の法則」と言い、個体にとって好ましい結果のことを「好子」と言います。このように職員が子どもが台に登ったり、乱暴な行為を止めさせたいと思って関わるやり方が逆に行動を強化していることに気が付く必要があります。

では実際にはどうすればいいでしょう。台に登ってしまったら、とにかく降りてもらうように指示を出て降りたら抱っこするようにします。降りなければ降ろしてあげるしかないですが、そこで振り回したり抱きしめたりして好ましい結果をもたらしてはいけません。降りた時に「降りたね、えらいよ」と言ってあげます。また床で大人しく遊んでいる時にこそより積極的に抱っこしてあげたり声をかけたりするのです。このようにかかわりを変えてけば、子どもの行動は徐々にですが変わっていきます。

また、このような行動の原則を職員同士で共有し一貫した対応に努めなければうまくいきません。運転士さんを蹴るとか体当たりする場合も同様ですが、通常支援員として認識されていない職員に対しても子どもと関わる上では同じ原則で対応してもらうようにしてください。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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