トイレ清掃中に入ってくる人がいる

先日、ビル清掃の就労現場のコンサルテーションに行ったときに、トイレでの清掃作業を始めるときに入口にストップサインを付けているにもかかわらず、必ず入ってくる人がいて困るんですという訴えをジョブコーチから聞きました。自閉症の作業員の人が特に「なんで入って来るの?」と言って調子を崩してしまいます。男子便器を清掃している真横で用を足している人がいるらしく、調子を崩さないまでもある作業員の方は、「人権をないがしろにされているような気分がする」とコーチに訴えられるそうです。コーチの人は事前に止めようとするのですが、あっと言う間もなく入ってしまうので止められないことが多いと言います。いったいどうしたら良いでしょうか? 2週間後に再び、そのコーチとお会いした時に「あれからトイレの前の壁にポスターを貼って注意を促しビル内の他の会社にも周知を行ったら清掃中のトイレに入って来られなくなりました」と報告を受けました。周囲の一般の人に啓発活動を行うことの重要性を改めて感じました。http://www.docomo-plushearty.com/index.html

指示に応じるようにするには

今日も小学部の男児の療育セッションがありました。母親からの指示に反対のことを言い拒否するのでどうしたらいいのかに悩んでおられました。そのため風呂に入る、歯を磨くという指示にも反抗するため日常生活を送ることさえストレスを強く感じていました。指示に応じるようになることは行動問題を減少させる上でキーとなる行動で行動モーメンタムの記事でも紹介した通りです。 これはそのお母さんが試行錯誤と苦悩の中で偶然発見したことですが、お母さんが指示を出すと聞き入れない子が、その子の好きなキャラクターを使うと聞いてくれるとのこと。彼の好みはブームごとに変わるのですが、現在はスーパーマリオのキャラクターのクッパだそうです。今日もビニールの買い物袋いっぱいに入れて来ていました。療育中も、特に遊びから次の活動に移る時にスケジュールを提示しても、おやつを好子に交渉しても、タイマーで終わりを告げても切り替えがうまくいきませんでした。 そこで、お母さんがクッパの人形を手に持ち、腹話術のように「Tくん、スケジュールをチェックしに行こうよ」と声をかけるとニコニコしながらスケジュールに向かい活動を切り替えてくれました。そのあとは予定通りに療育活動が進みました。

どうせ無理と思っている君へ

下町ロケットのモデルである植松電機の植松さんの講演会の話を以前載せましたが、さっそく図書館で本を借りて読んでみました。読み始めると一気に読めるほどの内容と分量です。大人も子どもも何となく閉塞感のある雰囲気が世の中に充満していますが、植松さんの常識にとらわれない生き方と処方箋は清涼感とともに解決の糸口を与えてくれるでしょう。 おそらく小学校高学年の子どもなら読めると思います。甥と姪のために購入しようと思います。皆さんにもぜひお勧めしたいですね。

行動分析学は動物っぽくて嫌だ!

行動が生じるのはなぜか?真っ暗な部屋で電気をつけると部屋が明るくなります。行動によって環境が好ましく変化します。個体にとって好ましい環境変化を生じさせる行動は、その後も続けて起こります。これを強化の原理と言います。行動分析学は行動と環境の相互作用を研究する学問です。自閉症や発達障害の人に適切な環境設定を行うことで行動問題を予防し改善を図ることができます。 行動分析学は、心を扱わないとか冷たいとか、動物っぽくて嫌だ!という意見もときどき聞かれます。これは人間の生物としての側面を見たくない、避けたいという思いの表れかもしれません。逆に心の問題とか本人のせいと捉えることで個人攻撃になったり、ネガティブな対応になって本人を苦しめることがあります。 私は行動分析学に出会う前は精神分析学を勉強していました。精神分析学では、人間の悩みは”ココロ”の問題ととらえます。無意識に抑圧されたトラウマが問題の原因と考えられています。そして問題を解決する鍵は、無意識に抑圧されたトラウマを意識化することで解放することです。問題に直面化させることが精神分析の核心的な方略なのです。しかし、このアプローチはクライエントにプレッシャーと心理的な負担を強いることになります。もちろんセラピストにも。ですから”ココロ”が弱いクライエントにはうまくいきません。言語的理解力が弱いクライエントにも。 行動分析学的アプローチは、ココロの問題ではなく行動の問題ととらえます。実はココロの働きや気持ちや思いは扱わないのではなく言語行動という行動で捉えます。言語の働き、機能はいくらか分類されていますが、まだまだわからないことばかりです

行動モーメンタム

行動モーメンタムというのは、行動分析家のNevinらが1980年代に提唱した行動の概念です。行動の変化抵抗と物理学のニュートンが提唱した慣性の法則、つまり質量のある物質に力を加えた時の速度の変化抵抗との類似性から生まれたものです。行動モーメンタムというのは、行動の変化のしにくさという概念を表します。 発達障がい児が他者からの指示に従わない行動(非応諾行動)も変化抵抗と言えるものです。逆に応諾行動が身に着けば、指示に抵抗を示すといった行動問題も減少することがわかっています。応諾行動を身につけるための従来の方法論は、タイムアウト(好子の一時的な保留)によって促したり、身体的に応諾行動をガイドする方法などがありましたが、年長で攻撃行動が激しい人には適用が難しいという難点があります。結果操作により応諾行動を促す方法もありますが変化抵抗に逆らうほどの強い好子を見つける必要があります。あらゆる手を尽くしても変化を生み出せない場合に通常は罰を使うということになります。 このような場合に、行動の慣性の法則を使うとうまくいくようです。行動分析家のMaceらは、1988年のJABA(応用行動分析学会誌)21巻の123-141頁に行動の変化抵抗を打ち破るために行動モーメンタムを使った研究を発表しています。Maceらは、非応諾行動の激しい成人の発達障がい者数名に対して、他者の指示に応じやすい行動を複数選び出して実施した直後に、非応諾行動を行うと変化抵抗を打ち破って応諾的に行動できることを示しました。 非応諾的行動の例としては、弁当箱を片づける、ゴミ箱のゴミを捨てる、鏡を拭く、シャワーの準備をするなどで

調子の良し悪しと気圧変動の関係

今週は青森県の八戸市の高校生A君と地元北九州市の小学生B君の支援についてコンサルテーションに行って参りました。2人の生徒さんの行動をABC分析してみても、人の対応や環境要因によらない、要因のよくわからないで突然おこっている自傷や他害がありました。突然おこる行動問題の要因としては誘発行動があげられますが、2人に共通しているようなのは気圧変動でした。他にも内的な誘発要因としては癲癇や頭痛、身体内の痛みも誘発要因としてあげられます。A君は気圧が下がるとき(晴れから曇りや雨)に調子が悪くなり、B君は気圧が上がるとき(曇りから晴れ)に調子が悪くなると担任の先生から報告がありました。これまでもA君は「天気が悪いと調子が悪いね」と言われてきました。一般の人々の間でも、気圧が下がると関節が痛くなるとか、頭痛がするというというのはありますので、当然、自閉症の子どもたちの中にもそういう症状があってもおかしくないわけです。特にことばで訴えることが難しい人は、誰にもそのことは伝わらないですし、処置もできませんから本人のストレスは相当なものだと想像できます。 B君の担任が気圧測定アプリを紹介してくれました。昨年、1年間記録をとって本人の不調と気圧変動に相関がありそうだというのを突き止められたそうです。A君の担任にもアプリの活用で不調との関連を調べてもらうように依頼しました。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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