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異文化交流研修

 昨日はある都市の保育課主催の発達障害のお子さんに対応する技量を身に付けるための保育士研修の全体会がありました。年度の初めに基礎知識に関する座学の研修を各保育所から選抜された保育士1名ずつと任意に参加希望の方に対して行い、そのあと保育所を回ってコンサルテーションを行います。すべての保育所を回れないので今年度は3か所でした。保育所から保育課に依頼し、保育課からコンサルタントに要請が来て実際の訪問に至る流れです。

 考えてみれば平成22年にこの研修が始まり今年で8年目になります。当初、自閉症の特性の話や支援法について私の専門知識を生かして意気揚々と話したのですが、受講者である保育士やその所長にはまったく理解されず撃沈され落ち込んだことを覚えています。当時の保育課担当だった方は「まるで異文化交流会でしたね」という感想ぴったりでした。私は保育文化というものをまるで理解していなかったものですから随分と戸惑いましたし、それを理解せずに説明したのも未熟だったと反省しています。そこで障害者通園施設で所長をされていたY先生もチームに引っ張ってきました。Y先生には異文化交流の橋渡しをしていただき大変助かりました。その方は、当時施設長という激務でしたが快く引き受けていださいましたし、その後も親御さんの介護があったりしましたが全くそういう素振りも見せずに任に当たられていたことに尊敬の念を抱きます。また最近ではお子さんの出産などでお孫さんの世話をされ一昨日は一睡もできずに会に参加されたと聞き本当にスーパーウーマンだなと思います。私が途中で挫折せずに続けられたのも、Y先生のおかげです。

 そういう異文化交流からスタートしたわけですが、当初は自閉症という言葉もわからず、そんな子どもを差別するようなこととか、特別扱いするなんてという雰囲気でした。昨日の研修では、受講者の感想の発表の場もあったのですが、「行動分析」や「ABC分析」によって子どもの見方が変わったとか「視覚的支援」「目標設定」「記録」「職員間の共通理解」などの言葉が聞けて、8年前とは雲泥の差だと担当者の間で話題になりました。

 コンサルテーションを行った保育所でのその後の様子なども発表があり、その1つの保育所でビデオを使った保育士と子どものやりとりについて受講者と考える場も設けられました。ビデオでは、子どもがグループ活動に参加できてない場面、外遊びから帰る時に友達のくつをフェンスの外に投げようとする場面とその前後の様子、場面の説明がなされ、子どもはどうしてそうした行動をしたのか、どのように対応したら良いかというのをグループで話し合ってもらいました。

 通常であれば、目の前で見えている不適切な行動を叱責し修正することで終わってしまいます。年度当初、担当保育士さんは、そのようなかかわりをされていたそうです。子どもからも煙たがられ関係性が成り立っていませんでした。しかし、Y先生の訪問をきっかけにその保育士さんは変わりました。子どもの気持ちを受け止めながら、どうしたらいいかをうまく諭してたのです。今では子どもからも信頼され、関係性はがらっと変わりました。その保育士さんは定年が近いベテランの方なのですが、人が変わるのは素晴らしいなあと思います。

 今年度で保育課で長年研修を引っ張って来られた担当課長の方も後任の方にバトンを渡されて引退されます。本当に長い間ご苦労様でした。

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