子どものご機嫌取りをしてませんか?

 ある日、保育参観の日に保育士のBさんは悩んでいました。その保育所にちょっとしたことですぐに癇癪を起す4歳児のA君がいます。A君のIQは70で自閉症の疑いがあると専門機関で言われています。みんなでの集まりの時間が無事に終わり、自由遊びの時間になりました。Bさんは念を押すつもりで「一緒に仲良く遊びましょうね」と伝えて、玩具を出して子どもたちを遊びに誘いました。

 その中でC君はミニカーを出して遊んでいました。同じようにミニカーが好きなA君は、C君のミニカー遊びに口を挟んできました。A君は「こうすると面白いよ」と言って、無理やりミニカーを動かそうとします。C君は少し困ったように固まっています。そこで保育士のBさんは、そこに介入して言いました。「それはA君の玩具じゃないでしょ!」

 その言葉に反応したA君は顔を真っ赤にし、隣の教室にも漏れるような大声でわめきながらBさんを叩き始めました。Bさんは驚きながらも、予めカムダウンのために用意していた静養室に連れて行き、なだめようとしました。慌てて出て来た園長も「玩具持ってきましょうか?」と言って静養室まで玩具を持ってきました。Bさんは「あとで渡しますので今はいいです」と言って脇に避けていました。

 そのうち5分もするとA君は落ち着いてきたので教室に戻ることができました。その後は、帰るまで特に騒ぐこともありませんでした。

 ちょっとしたことで癇癪を起すA君のためにBさんが予め静養室をカムダウンの場所として用意していたのは良い判断でした。そこに子どもをなだめようとして玩具を持ってこようとした園長の判断はどうでしょうか?私たちは、子どもが癇癪を起すと何とかなだめようと思って、ついいろんなことをしがちです。

 でも静養室は落ち着かせるのが目的なので玩具を持って行ったり飲み物を持っていったり、子どものご機嫌取りのようなことをすべきではありません。そうすると癇癪を別の形で強化してしまうかもしれません。

 それから、物事を字義通りに判断して、考えが固い自閉症のお子さんに対する声かけや場の設定はよく考える必要があります。もしからしたら、A君は自分なりにC君と”一緒に仲良く遊ぼう”としたのかもしれません。それは分かりませんが遊びを阻止されたことに誘発されてA君は癇癪を起したのでしょう。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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