ムーブフェスタ2019 子どもの自閉症・発達障がいの今

7月14日(日)は、北九州ASDサポートコミュニティ実行委員会の企画で、自閉症の研修会が開かれました。前半は、僕の講演会、後半は北九州で自閉症支援をリードしている児童と成人の施設の若手指導員の高村氏(放デイ)、柴田氏(放デイ)、瓜生氏(生活介護)をパネラーに、障害福祉課の安藤課長と自閉症支援の専門家である私が参加してもパネルディスカッションでした。

高:放デイで5年前に卒業する2人のために「お別れ会」を開きみんなに参加して欲しいと思っていたが、知的障害のある自閉症の子どもが大パニックを起こした。今まで全体での行事を行ったことがないことを反省し、定期的に全体レクをやり始めた。軽度の知的障害の人は参加できるが、知的に重度の自閉症の人はそれも参加が難しかった。どうすればよかったのか?

安:お別れというのがどういうことなのかを本人になりに伝えてあげることが大事ではないでしょうか。私は重度の自閉症の子の父親なのですが、最近その子にとっての祖父の死に遭遇しました。通夜やお葬式には、混乱させるので参加させませんでした。イラストで祖父の死を説明した後、みんながいない斎条で横たわっている祖父の冷たい亡骸に触れてもらい死というものを実感してもらいました。

柴:小学校1年で手帳はA2の男児なのですが、興味の幅が狭く、公園や外出は好みますが、室内ではほとんど遊ぶものがなく、トランポリンや自立課題を少しする程度です。時間を持て余す人がいるが、どのように対応したらよいでしょうか?

今:機能別に部屋を分けられれば一番いいですが、欧米に比べて家屋が狭い日本では、工夫が必要です。1つの部屋を多目的に使う場合は、活動毎に設定を変えること、それを子どもに予告することで対応できるのではないかと思います。家庭において気をつけたいのは、思春期までに個室を用意することです。個室がないと性的欲求を発散できないので様々な問題が生じます。個室がない場合は、パーソナルスペースを用意するようにします。

瓜:成人の施設で取り組んでいて思うのは、身体が大きくなるとパニックも酷くなるということです。幼児期に診断と療育を受けて育った子どもは、将来、行動障害が予防できるのでしょうか?

今:他の施設で行動障害の人の相談にのっていますが、みんな幼い頃は未診断で療育を受けていない人です。私がこの仕事に関わるようになって20年が経ちますが、幼い頃に診断、療育を受けたお子さんで行動障害になる人は非常に少ないです。ゼロにはなりませんが、確実に減るだろうと思います。行動障害を起こしている人は、支援が途中で途切れてしまった人、本人の特性としてこだわりや過敏性が極端に強い人です。多くは、施設や他所での支援の一貫性が保てないことが原因と思います。これは施設のマネジメントができていないことが要因だと思います。

高:20年くらい前に佐々木正美氏の講演でTEACCHを知り取り入れたいと思ったが、スケジュールで動かすのは動物みたいだと反対する職員がいた。自分では必要だと訴えた。強度行動障害で病院に入院したり、市外に出ていく人もいたが、比較的落ち着いている人は、自分の感情を伝えられる人、受け入れる人だと感じる。

安:自分の息子は、スケジュールを自分で使っている。必要だと自分で使うようになるのでは?

今:視覚的支援にしても当事者に必要と分かっていても、周りが反対することはよくある。そのためには、このような一般の人に知ってもらう啓発活動が大切だと思う。中でも当事者の話を聞く機会があればと思うし、なければDVDや書籍を勧めてみるのはどうだろう?最近、読んだのでは小道モコさんの本はイラストも入っていてお勧め。

柴:今の事業所はスペースが狭く、構造化するのがやりにくい環境にある。狭い事業所でも構造化する工夫はありますか?

瓜:私の事業所は、成人の日中の活動をしているが、家で過ごすことの方が多いし、家で問題が起きていることが多い。うちは居宅支援事業所ではないが、どうしたら良いか?家族で抱え込みすぎないようするには?

安:親は今困っていることに目を奪われてしまう。相談は、将来必要なことを考える。

フロアーからの質問:相談支援を行っているが、なかなかシビアな問題を抱えている自閉症の人を受け入れてくれる事業所は少ない。いろいろな障害を一体的に受け入れるところは、どんなことに気をつければよいのか?受け入れられるところを増やすためにどうしたら良いか?というものがありました。

終了後は、懇親会に参加しましたが、ここでも面白い話題や提案がされました。1つは、児童や成人の施設がいっぱいできているけれども、まったく評価されていないし、公的な評価は表に出ないのでユーザーにはわかならい、また良いサービスをしても、そうでないサービスをしても報酬が変わらないなら、楽な方に流れるのが自然という意見が出ました。それに対して、施設版の食べログみたいなサイトができないかな?というものもありました。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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