子どもを冠婚葬祭に参加させるか?
先日、ある生活介護施設の保護者会で自閉症についての話をさせていただき、その後は自由なディスカッションという場に参加させていただきました。
ある保護者の方が、お子さんのショートステイの利用を週に1回から2回に増やしたら少し抵抗をされたと言われました。親も高齢になってくるし、将来的には入所を考えているということでした。本人も会話はできるし、認知も高いからわかる面もあるけど、親が年を取って弱っていくことを受け入れられないんじゃないかとおっしゃていました。それは切ないことだなあと話を聞いていると、別の保護者の方が意見を述べられました。
「私は息子が小さい頃から、親族のお葬式には連れて行くようにしました。お別れで亡くなった方の顔を拝み、冷たくなった顔にも触れさせました。そこまでは良かったのですが、火葬場で骨になったのを見た瞬間、パニックになり走り回り大変でした。でも、その後も親族のお葬式には5回くらい辛抱して連れて行くようにしました。結婚式などにも、できるだけ参加させました。するとつい先日の祖父のお葬式の際は、骨になった亡骸をみて『おじちゃんが骨になった』と言いました。こうやって人は老いてゆき、親も弱って死んでいくことがわかるんじゃないかと思います。」
とても重い言葉ですが、その通りだなと思いました。そのように子どもにお葬式に参加してもらった体験については、別の保護者からも祖父がなくなった際のことも聞きましたし、保護者から家で暴れているお子さんの相談を長年受けていて、数年前にお父さんが亡くなった際にどうするかをお母さんや利用施設の職員と話した体験も思い出します。このケースでは、予め準備をしてお葬式の流れを予告したり、参加する部分を限定することで、大きなパニックを起こすことはなかったそうです。