周りに害を与える言動や考えには異を唱える

 発達障害児施設に通っている自閉症のC君は、ある日、帰る時に施設にある石鹸液をボトルごと持って帰ろうとしました。C君は、一度決めたことは頑として受け付けず、大癇癪を起してしまいます。お母さんの説得には、なかなか応じません。そこでお母さんは、車にあった芳香剤を取り出し、「これと交換しましょう」と言って、石鹸液のボトルと交換して帰って行きました。

 その後、施設でケース会議があり、このエピソードが話題になりました。施設長は「そんな餌付けのような対応はどんなんだ!」と疑問を呈しました。施設長は、その場限りの対応よりも、たとえ大泣きをしたときしても説得して引き離すか、そのまま持って帰らせたらどうかというものでした。施設長は、経験から学ばせるというスタンスです。

 施設長の意見が全く間違っているとは言えません。試してみないとわからないこともあると思います。しかし一点気になることは、「そんな餌付けのような」という発言です。施設長は、自分の考えと違ってお母さんの対応は良くないと思っているわけですが、その発言によって、ある支援法に対してネガティブな印象を周囲の人に与えてしまうことになるでしょう。Aという支援法=餌付け=ネガティブという関係が確立されると、周りの人はその支援法を使うことをためらうでしょう。

 だから、そのような発言があって、おかしいなと思ったら勇気を持って異を唱えることが大切です。もし黙っていたら、それを認めたことになるでしょうし、それに同調する人が現れます。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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