top of page

刺激のない環境が良いとは限らない

 ある知的に重度の自閉症の中学生は、 自立課題をしているときに具材を持って机に何度も打ち付ける常同行動が出始めて、なかなか課題が進まないということを聞きました。パズルをやっているビデオを観させてもらいましたが、確かに時々ピースを机に打ち付けていますが、最後まで完成させていました。「これは私がビデオを撮っているので気になってあまり常同行動をしないようです」ということでした。自立課題をするときは、静かな部屋で机を壁向きにして刺激のないようにしていますとのことでした。自立課題以外にも、洗面など生活のあらゆる場面で常同行動があり先に進まないのだそうです。

 周りの刺激や動きに注意散漫になって作業に集中できないお子さんなどは刺激を減らした環境を作ることは大切なのですが、この中学生の生徒さんのように刺激が好きな過ぎると常同行動が増える人もいます。常同行動の機能の1つは、刺激が少ない時に感覚入力を増やすことです。ひまなときに貧乏ゆすりやペン回しをする場合がこれに当たります。ですから刺激を減らした環境よりも、適度に刺激があった方が良いのでしょう。

 シーンとした図書館よりも、周りの会話やBGMなど適度な刺激のあるカフェの方が集中できる人もいると思いますが、まさにこの中学生はこのタイプなのでしょう。

最新記事

すべて表示
子どものご機嫌取りをしてませんか?2

前回の記事で子どものご機嫌取りをすることの弊害について伝えましたが、また別の事例についてお話します。 3歳の子どもが自分の頭の中の物語に沿って、活動を進め大人を巻き込むことがあります。大人の方も子どもに合わせて付き合ってあげることを延々と続けます。子どもは大満足だし、大人も...

 
 
 
自閉症支援の方法論としてのみ、視覚的支援や構造化が安易に使われることの危うさ

現在、自閉症の支援において特別支援学校やさまざまな福祉事業所で、視覚的支援や構造化が広く活用され始めていることは、とても好ましいことです。 一方で「自閉症には視覚的支援をすればいいんでしょ」と安易に考えて支援しているところもあり危うさを感じます。それが曲がりなりにも障がい者...

 
 
 

Comments


特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

お問い合わせ先

〒806-0028

日本福岡県北九州市

​八幡西区熊手2-3-27

電話&ファックス

TEL:093-616-1335

FAX : 093-330-4239

メール

simamoto66@gmail.com

​担当:福田

合同会社

  ABC研究所

 

代表:今本 繁

  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon
  • Google+ Social Icon
  • YouTube Social  Icon
bottom of page