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見ること vs. 観察すること

 今日は何年も訪れている山口の成人施設のコンサルテーションでした。施設長を始め職員の方々は大変熱心ですし支援に対する基本的な考え方を共有しています。あとは行動分析的なものの見方、行動の見方を伝授すれば職員の方が自ずと支援の取り組みができるだろうという目論見のもと朝一番の講義を行いました。今月のテーマは観察と記録です。行動を理解するには、まずそれをよく観察し記録することですが、それをわかりやすく説明するにはどうしたらいいか長い間迷い続けていましたが、たまたまいい本に巡り合いました。それが「シャーロックホームズの思考術」です。皆さんもご存知の英国を代表する推理小説アーサー・コナンドイルの世界的ベストセラーを題材にした本です。この本の冒頭に、ホームズがワトソンに見ることと観察することの違いを説明する箇所があって、「これだ!」と閃き、今日の講義に使わせてもらいました。

 「皆さんはこの施設に来て毎日働いて階段も何百回も上り下りして、この建物の階段を何百回も見ています。でも階段が何段あるかわかりますか?」皆さん、知らないと答えます。これが見ることと、観察することの違いとホームズは述べています。私はこの掴みを基にその後の観察と記録の話を続けました。

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