日本はチームワークがいいのか?

 日本は世界的にもチームワークが良い民族でそれが日本の優れた特質の1つだと言われています。尊敬するi-PS細胞で有名な山中教授も「日本人の技術者は間違いなく世界一です。器用さ、勤勉さ、創意工夫、チームで取り組む努力など、研究者として重要な素養を備えています。現在は米国にも研究室を構えているのですが、日本人は素晴らしいと痛感しています。」と述べています。おそらくここには大切な前提が抜けていると思うんですね。それは”優秀なマネージャーが管理している限りにおいて”という前提です。

 というのも、私はいろんな学校や施設で自閉症支援に関する専門性を高めるための仕事をしているのですが、先生や職員の訴えや話を聞くにつれて「チームワーク取れているんだろうか?」という疑問が浮かんでくるからです。これは同僚だけでなく、保護者との関係、上司との関係において多岐にわたって見られます。

 たとえば、ある支援学校小学部の先生は自身の教室の多動な生徒の相談をされました。その子は、授業中も途中で床に寝そべったり、教室の外に飛び出したりします。保護者の授業参観の時は、すっかり舞い上がってしまって授業中も保護者にべったりくっついたり、話しかけたりするそうです。そしてその先生は「保護者は子どもに見えないようにこっそり覗いてくれたらいいのに・・」と愚痴をこぼされました。私は、なんで事前に保護者と打ち合わせておかないの?と思いました。来月、参観日があるから、早速保護者と打ち合わせしますとおっしゃいました。

 先生も施設職員も、学年間の活動や行事などでは連携を取るのに、子どもの支援に関しては個人プレーが多いんですね。その要因を探ると”他者に気を遣う”からという答えをよく聞きます。子どもの支援や教育という大きな目的のためには余計な気を遣っている場合ではありません。きちんと目的を説明し目標に向かって協力することが大切と思うのですが。

 大きな目的や目標に向かって組織的な動きをするのは、私が関わる教育や福祉の現場はそれが薄いと思います。日本人はそれが苦手なのでしょうか。太平洋戦争の時の軍部は、政府や大本営の指示に従わないで、勝手に作戦を立てたり実行したりが目立っていたと文献を読むとわかります。つまりシビリアンコントロールが機能していなかった。それが無益な戦線拡大を招き不幸な戦争に突き進んだ要因の1つと思います。

 しかし現代において目標に向かって組織的な行動をするのは得意な組織があります。それはスポーツチームや会社です。それが機能していない組織は衰退し機能している組織は強くなっています。現在、スポーツをモデルとした放デイや会社を基にした障害者就労の組織と関わっていますが、これからどうなるか楽しみでもあります。いったんうまく組織的な動きが取れると日本人はうまくいくのかなと思います。そのためには、優秀なマネージャーが必要なのだと思いますし、そのマネージャーに必要なのは、大きな目標、ビジョンだと思います。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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