公園でもしますか?
先日、ある児童発達支援施設でのコンサルテーションに行ってきました。そこでは遊戯室での自由遊びが話題になっていてビデオを流しながら職員とディスカッションを行いました。その中ですべり台を逆に登っていく子どもの行動が話題になりました。まだ生活年齢も発達年齢も幼い子どもにどう対応するか話し合いました。そもそも逆でもいいのでは?という意見もありましたが、それだと他児とぶつかったり、本人が怪我をしたりトラブルが生じるだろうということで階段から登って上から滑り降りる方が好ましいという意見に落ち着きました。
さてすべり台を逆走するという問題にどう対処するのか?このように行動レパートリーが未熟なクライエントにはABCモデルでは行動の法則から3つのレベルで対処法を考えます。レベルAは、どうしたらいいのか本人はやることがわかっていますか?という問いで考えます。おそらく本人はわかっていなでしょう。正しいすべり台の使い方を写真で示すという意見が出ました。
レベルBは行動が身についていますか?という問いで考えます。おそらくこれもNoだと思います。ビデオで支援者はそのまま逆走を許していましたので、まずレベルAの写真ルールを示して逆走しようとしたら、階段に戻して登って滑り降りる行動を手助け(プロンプト)して教えます。
レベルCは動機づけの問題です。上から滑り降りる動機づけは十分かという問いで考えます。そこで他の職員が尋ねました。「公園にも出かけるそうですが公園でも逆走しますか?」すると「いいえ、公園では上から滑り降ります。逆走はしません。」という答えでした。
つまり遊具室のすべり台は本児には低すぎて上から滑り降りる魅力が足りないのかもしれません。 担当の職員は高くしてやってみますと答えていらっしゃいました。