移動時の壁叩き足踏みの激しい人の支援

 先日に野田市にある社会福祉法人はーとふるのコンサルテーションに行ってきました。その中の生活介護の部署である「みそら」に重度の自閉症者の利用者で室内の移動時に壁を手で強くドンドン叩いたり足踏みが激しい人がいらっしゃいました。「みそら」も加藤所長を始め職員の方がABAに基づくABCモデルの支援を実施しています。ABC分析で行動の働きのアセスメント結果では手や足への感覚入力が優位であることが仮定されました。

 このような不適切と思われる行動を示す人への通常の対応では、単純に行動を止めたり制止したりする対応がとられると思います。「叩かないでください」とか「止めます」というような制止の声かけをします。制止の対応をした瞬間は行動がやむかもしれません。その後も利用者の同じような行動が生じたら、職員は制止するといった対応を繰り返します。しかし安易に制止を繰り返すとその行動が新たに注意獲得の機能を持ってしまうことが多いのです。

 だから「みそら」の職員は安易に声かけや制止をするようなことはしません。では放っておくのか?行動問題に対応するのにABCモデルでは4つの方略を提案します。①環境調整により行動問題を予防する②行動問題に置き換わる代替行動を身に付ける③ほかの行動を強化することに徹する④行動問題を弱化するのです。

 職員の方は②行動問題に置き換わる代替行動を身に付ける方略を選択しました。ここで適切な対応を計画するのにABC分析の結果が重要になります。手で壁を叩く、足踏みをするのが感覚入力による強化をもたらしていることが推定されました。そこで計画した方略が次の写真です。 

 壁や床に叩いたり踏み鳴らすアイテムを移動途中に散りばめ、移動の際は手順書に沿ってそのアイテムを叩いたり踏み鳴らすのです。パターン化による新たな問題を予防するために移動の際は順番をランダムにした手順書を提示します。何度か練習したあとに見学させていただきましたが、以前はところかまわずに壁や床を叩いていたのに、この手順書を使うことでアイテムの所以外で叩くことは全く見られませんでした。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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