親子はつらいよ

自閉症のお子さんのすることに腹を立てて叱ってしまうことはよくあると思います。しかし、危険な行為や善悪に関わるようなこと以外で、やたらと叱りつけるのは控えた方がよろしいかと思います。先日も、このようなエピソードがありました。


手洗いが長くなって10分から15分くらいかかる就労し一人暮らししている自閉症の成人男性の方がいます。その方の母親が、スマホに手洗いの動画を入れてあげて、それを観ながらであれば2,3分に短縮することができていました。しかしある日、ご両親が訪問した時に本人がベッドに座ってスマホを肘で操作しながら手に泡をつけてこすっているのを見て、父親が「そんなことはやめなさい」と注意をしました。その後、親子でいろいろと口論になったようです。それ以来、手洗いの際にスマホの動画を活用することはなくなり、手洗いの時間は10,15分に逆戻りしてしまいました。


親御さんの視点は、「ベッドで手洗いをするとはなんてことだ。ベッドで手洗いをするのは止めなさい。洗面所も、こうやってスペースを作ればスマホを置けるじゃないか!」ということでしょうし、

本人の視点は「洗面所にスマホを置くスペースががないけどどうしよう。そうだベッドにはスマホを置ける、ここに置いて手をこすればいいや。・・・自分は親に言われた通りに努力しているのに、なんで「止めろ」と言うんだ。理不尽だ!」ということなのかもしれません。


もう一つ言うと、この人は、スマホやゲーム機など自分の所有している機器が汚れることを嫌う強いこだわりを持っていますので、肘で操作するようです。


専門的なかかわり方で言うと

1.本人の自閉症の特性から、なぜそのような行動をとっているのかを考える

・洗面所にはスマホを置くスペースがなかった

・物を移動させるとか、新たにスペースを作ることを臨機応変に考えたり実行することが難しかった

・たまたまベッドにスマホを置くスペースがあったのでそこでやっていた

・普段、誰にも指摘されず、自分なりのやり方でいいと思いながら実施していた

・スマホを使いながら、手洗い時間の短縮に努力している

2.目に付いた行動を感情的に叱らない

・一方的、感情的にならないで冷静に伝える

・注意する場合に具体的に何がよくないのかを具体的に伝える

・どうすればいいかを具体的に伝える

・こちらが助言したことが本人のこだわりややり方にマッチしていない場合は本人と話し合いながら妥協点を見つける


親子だとこれは、とても難しいことだと思います。私自身も難しいです。

ですから専門家や他人に任せた方が良いと思いますし、子どもが大きくなるにつれてそうすべきなんでしょうね。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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