強度行動障害に対する応用行動分析学からのアプローチ(第3弾)
先日の9月4日(日)は、日本行動分析学会主催の「強度行動障害に対する応用行動分析学からのアプローチ(第3弾)」がありました。第1弾では、学会からの強度行動障害の捉え方や学術的な対処法についてのお話、第2弾は、園山教授から、強度行動障害についての取り組みについて、内外の文献などを丁寧に紹介いただきました(見逃し配信はこちらからhttps://vimeo.com/743703737)。
それを受けて第3弾は、現場での取り組みということで、倉光先生が指定討論者となって福岡市障害者支援センター理事長の野口先生とか~む所長の森口先生のお話がありました。詳細は、また見逃し配信があると思いますので、そちらに譲りたいと思いますが、私が捉えたまとめを紹介します。
まず強度行動障害は、当事者や家族といった個人の特殊な問題ではなく、社会的に作り出されたものだから、社会全体で取り組みを考えて行かないといけないということ。また支援者側においても、特定の技法(構造化や応用行動分析的手法)だけで、何とかなるものではないということです。ましてや、個人の力量でどうにかなるものではありません。
荒れた状態の人を支援するには、①安全に受け入れる場所や空間が必要です。それは通常の入所や通所の施設の設定では無理があります。また②支援を支える人員配置(1対2)を24時間交代で、みて行くための体制です。これも、通常の施設の人員配置では無理があります。③それを実現するには、行政による財政面でのバックアップが必要です。最後にこれが一番大切だと思いますが、④そういう人をみて行くための専門的な人材です。この資質には、構造化や応用行動分析的なアセスメントや対処法といった知識は、もちろん必要だろうと思います。
荒れた状態の人が、ある程度落ち着いたら、それを⑤通常の地域生活に戻していくための仕組みや体制も整えないといけません。⑥その人を受け入れる人材も大切な要素です。
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