保育研修でABC分析の講義

保育研修の連続講座の講師の1人を務めさせていただいており、先日は最終日でABC分析の講義を演習などを取り混ぜながら行いました。ちょっとSの気質があるようで、しゃべるよりも、受講者に身体を動かしてもらうことを重点的に心がけております。どんな学習に関するテキストにも、五感をフル活用して学習した方がいいとも書いてありますから。アンケート20数名の中で4番目に多く演習の事が言及されていました。


アンケートでは、大多数の方がABC分析シートを使った演習についての言及していました。次に多かったのが記録の見える化(グラフ化)です。どの先行研究でも、行動の変化の見える化をフィードバックすることが、行動変容に効果的と言われています。でも、ちょっと難しいかと思って勝手に敬遠していました。しかし、仮想データをもとにグラフ化をしてもらうと、若い人を中心に意外と上手に描けていたのでびっくりしました。グラフ化は現場の実践にもっと活用していこうと思います。


2番目に多かったのが、標的行動を決めて観察・記録することでした。適切に標的行動を決めることが、実践のスタートで肝心なことですが、ここで躓くと方向性が大きくずれてしまいます。たとえば、「おもちゃを散らかさない」という標的行動を立てて、「おもちゃを散らかさなかったらトークン1個」と結果操作による介入をしてしまうことがあるのですが、これは子どもには無理のある目標であり、介入もうまくいきません。この場合、標的行動は、「おもちゃを道具箱に片づける」であればOKです。標的行動は「~する」という形式で具体的でなければいけません。


3番目は、シェイピングの実習でした。2人でペアになってもらい、保育士役と子ども役に分かれます。保育士役が、標的行動を決めて、子ども役には言わずにプロンプトも使わずにただひたすら、子どもの行動を観察して目標に近い行動を拍手で強化し、最終の標的行動に近づけていくようにします。標的行動は「エンピツをペンケースに片づける」などその場できる簡単なものにしてもらいます。これは、頭も体もフル活用するので盛り上がります。場を和ませたりするのにもお勧めです。


シェイピングは、実験的行動分析でも応用でも最も初期に確立した行動変容技法です。この演習は、応用行動分析による実践のダイナミズムを凝縮したものでもあると思います。明確な標的行動を決めること、今ある行動から少しずつスモールステップで目標に近づけること、子どもの行動をよく観察すること、忍耐強く取り組むこと、強化を忘れない事、指示や禁止、叱責を使わなくていいこと、負の強化より正の強化が望ましいことなどが学べます。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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