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チャレンジング行動研究会の歩みと新たなスタート

令和5年11月、北九州市発達障害者支援センターつばさとNPO法人さんぽのご協力のもと、チャレンジング行動研究会がスタートしました。この研究会は、強度行動障害について深く理解し、より良い支援を模索するための学びの場として設立されました。その中心となったのが、園山先生と野口先生が監訳された『チャレンジング行動』という書籍です。この本は、イギリスの研究者によって執筆され、知的障害や発達障害を持つ人々が示すチャレンジング行動(強度行動障害)について包括的に解説しています。

チャレンジング行動とは、知的障害や発達障害を持つ人が、適切な支援や配慮された環境を十分に受けられないことで生じる二次的障害を指します。自傷行動、攻撃行動、破壊的行動、多動、不適切な社会的行動などがこれに該当します。本書では、これらの行動が生じるメカニズムを明らかにするとともに、望ましい行動を促すための多面的な介入方法および介入プロセスを詳しく解説しています。

この研究会では、毎回1章ずつ読み進めながら参加者同士で意見交換を行いました。専門的知見を日常の支援・指導にどう活かすかを模索する場となり、早期介入の重要性や支援の質の向上について深く議論しました。支援者が適切な知識と技術を身に付けることで、当事者の安定した生活の実現に寄与できることを再認識する機会にもなりました。

また、本書は支援に直接関わる教育者(学校の教員)、心理専門職(公認心理師)、看護師、精神科医はもちろん、支援体制を構築する社会福祉士や精神保健福祉士にとっても貴重な資料です。重度知的障害や強度行動障害を持つ人たちが虐待の対象となる事例が未だ報告される日本において、本書の果たす役割は非常に大きいと感じています(丸善ジュンク堂の書評より引用)。

以下に園山先生の書評を載せておきます。



令和7年1月には、書籍最後の13章の発表が無事に終了しました。その後、2月には特別支援学校の先生、3月には生活介護の管理者がそれぞれ事例発表を行い、チャレンジング行動研究会は一旦の区切りを迎えることとなりました。

この活動を通じて、私たちは多くの学びを得ることができました。また、毎回無償で会場や駐車場を提供してくださったNPO法人さんぽの会の高村理事長には、心から感謝申し上げます。さらに、研究会のたびに温かいコーヒーを用意してくださったことも、参加者一同の励みになりました。

チャレンジング行動研究会は一旦終了となりますが、新年度からは『ポジティブ行動支援北九州』という新たな名称で活動をスタートさせます。この新しい取り組みでは、北九州市の医療・福祉・教育関係者が集まり、交流を深めながら、支援の質を高めていくことを目指しています。参加者同士が知識や経験を共有し合い、現場での支援に役立てていくことを期待しています。

チャレンジング行動研究会で培った学びを糧に、ポジティブ行動支援北九州では、より実践的で効果的な支援のあり方を探求していきます。知識の蓄積だけでなく、支援者同士のネットワークを広げることで、地域全体の支援力向上に寄与したいと考えています。

これからも、知的障害や発達障害を持つ人たちが安心して暮らせる社会を目指して、学びと実践を続けていきます。ポジティブ行動支援北九州での新たな一歩に、ぜひご期待ください。



 
 
 

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