「これなに?」

先日、特別支援学校の小学部の教室を訪問した時に、突然、自閉症の子どもがニコニコしながら近寄ってきて私を指さしながら「これなに?」と聞いてきました。そばにいた先生がすぐに「せんせい、おなまえは なんですか?」というモデルを提示して、子どもに言わせました。その子は、それを真似ながら言ってくれたので、「イマモトです」と答えると、「イマモトせんせい」と言っていました。今度は私の方から「おなまえはなんですか?」とその子に尋ねると「イマモト〇〇です」と苗字を変えて言いました。先生も笑いながら「○○くん、△△でしょ」と本当の苗字を教えてくれましたが、その子はすーとどこかに行ってしまいました。


これは、自閉症の子どものコミュニケーションの特徴を表したエピソードです。簡単な会話ができたり、言葉を知っているお子さんでも、人との適切なやり取りが難しいのです。このお子さんの場合に、何も悪気はなくて、知らない人に対して名前を尋ねる語彙が足りなかったと思ってください。ですから、家庭などで相手に対しては親として謝っておきますが、子どもにはそんなにきつく叱らないでください。その場では、この教室の先生のように「お客さん、お名前なんて言うんですか?」とモデルを出して正しい語彙を教えてあげればよいでしょう。自閉症のお子さんは、場面や状況の中で使われる言葉を覚えるので、間違って覚えて使うことも多いのです。おそらく、物の名前を聞くときに「これ何?」と聞いて、「ちょうちょだよ」などと答えてもらっていたので、そのまま人に対して使ってしまったのだと思います。そういう時は、否定をせずその都度実際の状況の中で適切な言葉や振る舞い(人前で指をささないなど)を教えてあげましょう。その時は感情的にならないことが肝心です。


また自閉症のお子さんは、知らない人に対して不安や警戒心が強いので、訪問の前に「〇〇さんがくるよ」と口頭で予告します。紙やボードに書いてあげるとより良いですし、文字が読めない子には写真を提示してあげます。

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(同) ABC研究所は、自閉症スペクトラム障害 (ASD) に関する支援法について普及や啓発を行うことを使命にしています。自閉症支援は、応用行動分析 (ABA) とTEACCHプログラムに基づいた科学的方法論を基にしています。ABAは、自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の支援についてアメリカ連邦公衆衛生局によって科学的に効果が確認されている方法論として推奨されています。TEACCHは米国ノースカロライナ大学と州政府が中心となって州全体で取り組んでいる自閉症児者の包括的な支援制度で、そこで開発された構造化や視覚的支援などの方法論は世界的な自閉症支援の標準となっています。ABC研究所は、その使命を果たすために、自閉症スペクトラムの支援法に関する研修・セミナー、施設・学校でのコンサルテーション、コミュニケーションや学習教材の研究開発、個別の療育や相談を行っています。

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