

観察力を磨く
この本は西南女学院大学に勤めていた時に同僚だった先生が「これは勉強になるよ」というのを伝え聞いて読んでみようと思った本です。行動分析を元にした対人支援においては、ABC分析にしても行動を観察することが大切ですので参考になるだろうと思った次第です。 観察するとは、ぼんやり見るのとは違うということをシャーロックホームズのエピソードを交えてこの本でも述べています。この本の中には、有名な絵画や日常の写真などが出てきて、観察したことを記述するという内容の演習が出てくるのですが、私がほんとうにわからなかったのが、得体のしれない白黒写真が出てきて、これは何か?というものでした。ある動物なのですが、私は答えを読むまで全くわかりませんでした。著者が、講演などでスライドを提示した際には、人によってバラバラな答えが返ってきたそうです。答えは、この本の写真のページを見て考えてください。 ここで著者は、観察する際のポイントをいくつか述べています。全体を見る、細部を見る、見方を変えてみるというものです。私は少し写真を離してみたら、すぐにその絵が現れました。見方を変えるのも重


ほめると子どもはダメになる
なんてことを言う著者だろう....と思い、ふと手に取って読んでみました。前に紹介した本もそうですが、まんまと出版社の術中にはまってしまったわけです。 よく読んでみるとなるほどと思うところもあります。要は子どもも甘やかせ過ぎると良くないよ、という主張だと思いますので、それはそうだと思います。 統計資料や大学で教えた個人的なエピソードなども引用して、褒める子育てが子どもをダメにしていることを説得しています。最近は傷つきやすく、注意やアドバイスをすると自分を否定されたと感じる学生が多く、それはほめて育てる子育てが蔓延しているせいだと述べています。先進各国の子育てに関する統計資料では、軒並み日本の親は子どもに甘く、厳しさが足りないという結果でした。 欧米では個人の自由が重んじられるので子どもも伸び伸び育てられているイメージがあるかもしれませんが、著者はその逆で欧米では、子どもに厳しい躾をするそうです。米国では体罰を肯定する親の割合も多いそうです。米国では子どもに厳しい躾を科したつけで70年代に、それを見直してほめて育てるという考えが広がっていったと言いま